「音楽療法士は何をしているのか?」イメージと実際

小沼 愛子

 

このところウェブサイトの整備や新しい企画の為にスタッフは皆超多忙でブログの更新が遅れています、、、すみません。ウェブサイトの更新の為ひたすら作業を 続けている状態ですが、そんな中、皆さんとシェアしたい写真が送られてきましたので、ちょっと休憩しながら紹介させていただきます。

まずは右の写真をご覧ください。


音楽療法士
音楽療法士

英語で書かれている部分の日本語訳(プラス私の見解)は、以上のような感じです。

 

この写真はこここ数年連絡を取っていなかった友人からメールで送られてきました。友人はクラッシックのピアニストであり、アメリカでは名声高い音楽大学のピ アノ学部の学部長を歴任された方。音楽療法士ではなく、音楽家一筋でこられた方です。「この写真を見て、君を思い出したよ。どうしている?」というメール をいただいた私、、、

 

他 の音楽療法士の方はどう感じられるかはともかくとして、私個人としては、「結構当たっているなあ」と笑わせていただきました。メールには、「これを面白い と思ってくれると信じて送るけれど、もし気分を害したらごめん」という下りもありました。いえいえ、気分を害することは全くありません。ここから現実を垣 間みることができるのですから、何とも有り難いことです。

 

音楽療法士はしばしば、

歌う演奏する動くクライアントの行動を観察&予測しながら次に何をしたら最適か必死に考えつつ頭が様々な考えで一杯一杯になっていても落ちついて予想外の展開に戸惑い焦っている時もにこやかにその時々にクライアントの目的達成の為にベストと思われる音楽や会話を瞬時に選びセッションを進める、ということを同時に要求されます。

 

私自身、この写真の”What I think I do”(音楽療法士が思う自分の仕事像)のような気持ちになることを度々経験してきました。(実際にこういうことをしているわけでなく、これくらい沢山の事を一度に行っている、という意味です。)

 

多 くの音楽療法士達が似たような体験していると思うのですが、私の場合は実際に、「音楽療法士?病気の人の為にアルファ波の出る演奏してあげるお仕事です か?」と本気で訊かれたり、仕事中常に楽しそうに見えるようで「職場一幸せな悩みのない人」と思い込まれたり、「いつも好きな事をしていていいわよね」と 言われてきました。 実際にはそうでないことが多々あるわけですが、そう見えがちな仕事であると真摯に受け止めています。

 

好きな事を仕事にしているのは事実ですが、お気楽な感じからはほど遠いのが実情、、、忙しいのは臨床の最中だけでなく、その時々にベストの療法を目指して勉強、準備、話し合い、加えて研究、発表、学生教育、、とやる事が常に山積みなのがこの仕事です。

 

音 楽療法士という仕事は多面性に富むものであり、そこがおもしろくもあり、大変なところでもあり、難解で誤解を招きやすい部分であるとも考えます。音楽療法 士という職業のイメージと実際。私達音楽療法士が「この仕事が他職種の方々からどう見えているか、そしてそれは何故なのか」を十分に考える機会が足りない ように感じる時があります。他職種の方々に音楽療法という仕事への理解を深めていただくためには、自分が専門家として何が出来るのかを認識し説明できると 同時に、この仕事が外部からどう思われているのかを考えながら行動することも必要であるとも感じます。

 

 

慌ただしく細かい事務仕事をこなす合間、高尚なピアニストから送られてきたこのおどけた写真。ちょっと立ち止まって考える時間を与えてくれたことに感謝です。