音楽療法士の為の楽器のメインテナンスについて Vol.1

 

今回も特別ゲスト投稿です!

 

楽器のメインテナンスについて、音楽療法士、そして音楽講師でもある細江克洋さんに記事を書いていただきました。

 

音楽療法士にとって楽器は毎日使う道具ですから、よい状態で長く使いたいと考えるのは至極当たり前のことだと思います。しかし、楽器の管理方法などを見直す機会などほとんどないのが、日々忙しく働く音楽療法士の現状ではないでしょうか。

 

ギター、ピアノ、ベースを弾きこなすマルチミュージシャンの細江さんは、楽器の話になるといつも目がキラキラと輝いて、本当に楽器がお好きなのが伝わってきます。この号と次号、2回に渡って楽器の保管などについて、楽器への愛情たっぷりのアイディアをご紹介下さいます。

 

 

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「楽器のメインテナンスについて」vol.1

 

細江克洋

 

私は演奏家としてのみでなく、音楽療法士として楽器や機材に大変興味があります。元々釣り好きな事もあって、道具をいじったり手入れをするのが好きな方で、楽器の手入れも普段から楽しんで行っています。 そこで今回は楽器の管理、保管について基本的な事ですが大切な事を皆さんに紹介できればと思います。

 

最初に楽器の保管方法についてです。楽器を傷や衝撃等のダメージから保護するためにはケースに入れて保管する事が必要不可欠なのは皆さんご存知の事だと思います。「いまさら、そんな当たり前の事を」と思われるかもしれませんが、セッションからセッションへと大慌てで移動等もあるとついつい「すぐ使うから」とたくさんの楽器を一緒に混ぜて運んでしまう事はありませんか?

 

例えば、シンバルとウッドブロックを一緒に入れて動かすとどうしても金属が木の製品を傷つけてしまいます。また小さな部品が飛び出ている楽器等はその部分が衝撃で外れてしまったり、またはその部分が他の楽器を傷つける事にもなります。面倒な事かもしれませんが、金属の楽器、木の楽器等、楽器別に収納することによって、楽器をよい状態で長持ちさせる事につながります。

 

また、ケースや収納道具の材質を見極める事も大切です。例えばキーボードやギターのケースについてですが、「ソフトケース=軽いが衝撃に弱い」、「ハードケース=重いが丈夫」と決めつけなくても良い場合が有ります。中には、ハードケースでも軽くて衝撃にも強い樹脂で出来た物もあり、またソフトケースにも分厚い衝撃吸収性に優れたフォームを組み合わせた物等、メーカーから様々な物が売られています。 自分が働いている環境や移動手段や頻度等によってケースの長所と短所を熟考してから購入する事をお勧めします。

 

また、たまにギターをそのまま家具や壁等に立てかけて保管しているのを見かけます。「倒れないからいいや」と思いついついそのままにしてしまっていませんか?ギタースタンドに立てると立てないとでは、安定度が全然違ってきます。倒れた時にネックが曲がったりペグが折れてしまっては修理代もかかりますし、最悪の場合ギター自体がだめになってしまうかもしれません。

 

軽くてコンパクトに収納可能なスタンドもありますので、セッションにもなるべくギタースタンドを持っていく事をお勧めします。もし長期間使用しない場合、全体の弦を一、二周ほど少し緩めて、ケースの中に入れて保管してあげてください。

 

ギターの弦の張力は全部で数十キロにもなりますので、緩める事でギターのネックへの負担を減らすことができます。こういった日常の些細な注意でギターの状態を常に良く保つことにつながります。管理を怠り弦高が高くなり弦を押さえるのが難しくなったギターでは音色もあまりよくないですし、療法士・演奏家の手に負担がかかってしまうことにもなります。

 

ギターの話が長くなってしまいましたが、こういった楽器に対する気遣いはどの楽器にもいえる事だと思います。今一度楽器の取り扱い説明書を読み直してみることもお勧めです。

 

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次回は、「楽器の保管場所や移動の際のアイディア」などを細江さんにご紹介いただきますので、皆様お楽しみに!

 

 

 

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