音楽療法士の一日vol.4 ~高齢者施設@アメリカ~

 

細江弥生

 

 

本シリーズ4回目、今回はアメリカの高齢者施設で働いていた頃の一日のご紹介です。私が働いていた施設は敷地内に

 

1、食事や送迎など様々なサービスがついた高齢者向けアパート(Independent living)

2、24時間介護サービス付きの居住施設(Nursing home)

3、1のアパートでは対応できないが2の24時間の介護サービスはまだ必要としない方対象の居住施設 (Assisted living)

 

という3つの形態の建物がありました。それぞれの建物に「Life Enrichment Therapist (生活を豊かにサポートする)」という肩書きのセラピストが配置されており、私は2、の24時間介護サービス付きの施設付のセラピストとして雇用されました。仕事内容は主に、アクティビティーの計画と実施、イベントの計画と実施、ボランティアのコーディネートなどでした。

 

アクティビティーでは,入居者の方のADLや身体的、精神的健康を促進するような内容が求められました。「音楽療法士」として雇われたわけではないので、音楽を使わないアクティビティー等も行いました。簡単な料理を入居者の方と一緒に行ったり、昔の映画を観たり、施設内にある植物の世話をしたり、日本文化を紹介するお茶会やすしパーティーを開いたりと、アメリカ・日本の文化や歴史、植物や動物に関する知識を学べる絶好の機会にも恵まれ私自身も楽しめたことがたくさんありました。

 

時間

スケジュール

8:00-8:15

朝の申し送り

8:15-8:45

朝刊やテレビより集めた最近話題のニュースについて話し合うグループ

9:00-10:00

入居者の方のケア計画を話し合うチームミーティング

10:00-10:30

音楽を使った運動グループ

10:45-11:30

新しい入居者の方々にアセスメントを行う

11:30-12:00

入居者の方々が昼食中に記録や準備

12:00-13:00

昼休憩

13:00-14:00

個別音楽療法 30分X2人

14:00-14:45

姉妹施設Independent livingにて歌唱と運動のグループ

15:00-15:45

地元の小学生達との交流会

16:00-16:45

音楽療法グループ

17:00-17:30

記録と次の日の準備

 

 

4回にわたって音楽療法士の1日のスケジュールを紹介して参りましたが、いかがだったでしょうか?

 

音楽療法士は様々な施設で様々な雇用形態で働いている事が多いので,療法士の数だけ異なったスケジュールがあるかもしれません。仕事内容も、それぞれの機関や施設によって変わってくると思います。

 

こうやってまとめてみると、音楽療法には本当に様々な業務があるなあ、と改めて感じました。個人事業として音楽療法を展開している方は大変多いと感じるのですが、「ビジネスに関する知識や経験」は、音楽療法を「仕事」として行う上でとても重要な事柄になってきていると思います。私が学んだ大学院では音楽療法科の選択科目としてビジネススクールでの単位が認められていたのですが、まさに納得です。

 

今後本シリーズの続編として音楽療法士かけはしの会の他スタッッフや音楽療法士として働いていらっしゃる皆様の一日をご紹介できたらなと思っています。


「私の一日はこんな感じです!」と紹介してみたい方がいらっしゃったら是非かけはしの会の方までレポートをお待ちしています!

 

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