メルマガ投稿〜世界大会の予習〜

小沼愛子

 

今月発行された「伊賀音楽療法研究会メールマガジン・JMTSP便り」に投稿した記事を、ここに掲載します。

 

私がこのメルマガに記事を投稿するのは今回で4回目となりました。

 

同メルマガでは、これまでに出来上がった「定型」があるようですが、「内容は投稿者の自由」ということなので、今回は少し違う形で投稿してみました。

 

そこで、過去にこのブログで取り上げた、今年7月に開催される音楽療法世界大会について、予習の続きを書いてみました。

 

メルマガ編集局に送った文をそのまま以下に貼付けます。

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今月のJMTSP便りはボストンから、小沼愛子が担当させていただきます。

 

これまで担当する度に違ったトピックで書かせていただいてきましたが、今回初めて、「体験レポート」ではなく「予習トピック」に挑戦です。

 

実は最近、このトピックでの記事を他の場所で書いたところ反響が大きかったため、この件についてまだ書いていない部分をこのメルマガで取り上げてみたいと思いました。

 

今回のお題は、今年7月にオーストリアのウィーン(Vienna)とクレムス(Krems)で開催される「音楽療法世界大会」です。

 

オーストリアといえば、世界的に高名な音楽家を多数輩出してきた国であり、オーストリア生まれでなくとも後にウィーンに移住した著名音楽家も多く、西洋音楽の発展において重要な役割を果たしてきた国です。

 

クラッシック音楽好きな人にとっては特別に魅力のある場所だと思います。私はオーストリアに行ったことはありませんが、ウィーンと聞けば「音楽の都」としてのイメージが自然に浮かびます。

 

しかし、恥ずかしいことに、私にはオーストリアの音楽療法についてほとんど知識がありません。世界大会の予習を兼ねて、ご興味のある方々と一緒に勉強できれば、と思ってこの記事を書いています。

 

最初に、世界音楽療法大会のウェブサイトに掲載されている、大会長Gerhard Tucek博士の挨拶の一部をざっと訳して紹介します。

 

「オーストリアの音楽と音楽療法の歴史は長年に渡り続いてきました。2008年、音楽療法はヘルスケア専門職として公式にオーストリア政府に承認されました。それ以来ヘルスケアにおいて強い存在感を持っています。今回、洲政府から音楽療法世界大会への支援に賛同を得たことをお知らせできるのを大変嬉しく思います。加えて、音楽療法プログラムを持つオーストリアのすべての大学が協力を申し出てくれました。」

 

*原文:http://www.musictherapy2014.org/greetings/

 

オーストリアの音楽療法についてもう少しインターネットで調べてみると、1959年に最初の音楽療法トレーニングプログラムがウィーンで設立された、という記述を見つけました。

 

半世紀以上に渡って音楽療法プログラムが存在し、最近は政府にも認められている。長年音楽が盛んな土地なのに、あまりオーストラリアの音楽療法について聞いたことがないのは何故だろう?、と少し不思議に思いつつそのサイトを読み進んでいくと、「伝統的に、オーストリアでは音楽療法の経験的リサーチはほとんどされてこなかったが最近は増えてきている」という意味の文章に目が止まりました。

 

もしかしたら、オーストラリア産の論文や発表にほとんど触れる機会がなかったのは、こういった背景のせいなのかもしれない、と思いました。(ただ単純に私の勉強不足と言えばそれまでですが・・・)

 

*参照サイト:

http://www.wfmt.info/Musictherapyworld/modules/emtc/austria/emtclist.php

 

今回世界大会を開催することは、オーストリアの音楽療法発展にとっても大きな意味があるのかもしれません。

 

前世界大会は2011年に韓国のソウル市で開催され、日本からも沢山の音楽療法士や関連の方々が参加されていました。日本と地理的に近く比較的行きやすい場所であったこともあって参加された方が多かったように思います。

 

それに比べると今大会はヨーロッパ。長時間のフライトや時差、航空運賃などを考えると、前回ほど気楽に行ける大会ではないかもしれません。

 

しかし、2017年の次回大会開催国に日本が名乗りを上げていることを考えると、今大会こそ日本から沢山の人が参加するべきではないか、とも思います。

 

音楽療法世界大会のウェブサイトの冒頭に書かれていることですが、世界大会は、「3年一度開催され、世界中の音楽療法士が集ってアイディアや経験、トレンド、研究結果などをシェアするのが目的」です。

 

その記述に続いて今大会の主題や焦点が書かれています。

 

今回の主題、「音楽療法、研究、教育における文化的多様性」というのはごく常識的なことであると感じる一方、非常に重要で奥の深いテーマだと思います。

 

開催期間は、7月7日から12日。開催場所は、大会前のセミナーなどがウィーン。大会開会式、スポットライトイベント、閉会式など学術大会全般はクレムス。参加費用は490ユーロ、です。

 

申し込みは以下のサイトからできます。大会の詳細もこのサイトで見ることができますし、大会についてのニュースレター配信に簡単に無料登録できます。

 http://www.musictherapy2014.org

 

クレムスはドナウ川のほとりにある大変美しい小さな街だということです。上のサイトに、開催場所を含めた大会の紹介のビデオも載っていて、街や会場の雰囲気が伝わってきます。

 

大会の実行委員会から来たメールによると、 ディスカッション、ワークショップ、ポスターなども合わせて合計400以上のプレゼンテーションが予定されているそうです。前大会では発表総数が300余りだったと記憶しているので、今回はかなり大規模な大会になるのではないでしょうか。

 

「世界大会」と言うと何となく敷居が高そうな気がする方もいらっしゃるかと思います。私も漠然とそう思い込んでいましたが、前回初めて世界大会に参加して感じたのは、「誰でも気楽に参加できる」ということでした。

 

3年前の韓国大会の様子については、このメルマガでもレポートさせていただきました。以下のリンクに記事が残してありますので、ご興味のある方はご覧下さい。

 http://www.mtkakehashi.com/2011/10/09/その4-伊賀音楽療法研究会のメールマガジンへの記事投稿/

 

このオーストリア大会期間中に2017年の世界大会開催国が発表されることでしょう。「Japan」と聞けるのを、今から楽しみにしています。

 

最後になりましたが、この大会にご参加される皆さん、現地で日本語ミーティングをしませんか?

ご興味のある方、そして他にご質問ご意見等がある方、是非ご連絡下さい。

 

小沼愛子 

aonuma@mtkakehashi.com

 

 

 

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