No.145 アメリカ音楽療法学会学術大会リポート2

 

小沼愛子

 

前回に引き続き、今月開催された、アメリカ音楽療法学会の全国学術大会(AMTA National Conference 2014)の様子をお伝えします。

 

 

開催2日目の金曜日、張り切って、朝一番の発表から参加しました。 朝型ではない私にとって、午前7時半のスタートは結構気合いの必要なスケジュールです・・・

 

私のような人も多いのでしょう。朝一番の発表は参加者が集まりづらく、発表者に不利な感があります。しかし、聴講者数が少ないため、発表者と直接やり取りできる時間が増えて、参加側としてはお得な感じがします。開催中、3日連続で朝一番の発表では参加者が少なかったため、質問はしたい時にいつでも出来るリラックスした環境でした。早起きしたかいがあった!と、一参加者としては大満足です。


 

さて、AMTA学術大会では、いわゆる口頭発表は短いもので60分という枠が一般的です。90分、120分という枠も結構あります。これは日本の大会と大きく違う部分かと思います。(何年か前に一人20分という枠組みのものが登場したこともありましたが、いつの間にか無くなっていました。)

 

今回の大会の印象を言うと、手法・技法などの細分化が進み、それぞれが違った方法を試みている印象が強かった5〜6年くらい前に比べ、包括的なリサーチ関連のトピックやテクノロジー関係のトピックが増えてきているように感じました。

 

また、ビジネス関係のトピックも増えていて、「どうやって音楽療法の仕事を増やしていくか」という、この業界の重要な課題を反映しているように感じます。

 

今大会でビジネス関連の発表にいくつか参加してみましたが、「自分の仕事を増やす方法」のようなものから、「起業家として音楽療法士を雇うためにはどうしたらよいのか」まで、色々なステージがありました。

 

リサーチ関連の発表に参加した時も同じように感じたのですが、「層が厚くなってきた感」があり、音楽療法業界が次のステージに向かっているような期待感を久々〜に感じることの出来る学術大会でした。(*これらはあくまで私個人の感想です。)

 

口頭発表の他には、定番のポスタ―発表、そして、ポスターと口頭が一緒になったようなスタイルのものも何年か前から定着してきました。


↑ インターンシップ・フェア の様子
↑ インターンシップ・フェア の様子

その他の定番メニューで規模が大きくなりつつあるものの一つが、インターンシップ・フェアです。

 

インターン先を探している学生達が、インターン生を募集する団体(会社・施設など)とフランクに話せる機会をサポートするものです。形式はポスター発表のような感じで、開催時間は90分。今回、このインターンシップ・フェアが開催されている会場に行く用事があったのですが、その盛況ぶりには圧倒されました。

 

アメリカでの音楽療法インターンは1040時間。週40時間(一日8時間x5日/週)休みなくインターンして6ヶ月。週32時間で9ヶ月という計算になります。

 

「過ぎてしまえばあっという間」の1040時間ですが、将来を考える学生にとっては膨大かつ重要な時間です。

 

出来るだけ自分の希望に沿った場所でインターンをしたい、または出来るだけ優秀な学生をインターンとして迎え入れたい、という受け入れ先の意図を考えると、このインターンシップ・フェアにこれだけ人が集まるのも頷けます。

 

会期中は、AMTA出版のブースが必ず設けられ、出版物や音楽療法関連の小物などを販売しています。それと並んで、沢山の関連企業が出店するエキシビジョンも毎年開催され、盛況です。


今回は、音楽療法学部を持つ各大学の宣伝ブースも今迄以上に数多く並び、それだけでひとつの大きなセクションになっているほどでした。

 

私は参加したことがありませんが、夜は遅くまでジャムセッションのできる部屋も用意されています。なんと、「午前2時まで」とプログラムに載っています。

 

他には、恒例の巨大ドラム・サークル、比較的新しいウクレレ・サークルなども夜のイベントとして開催されていました。

 

という感じで、こうして書いていると、かなり盛り沢山な学術大会だということを改めて認識します。


他にも色々書きたいことがあったのですが、細かいことを書き出すと止まりません・・・

 

地元ケンタッキーにちなんだ音楽イベントもありました。
地元ケンタッキーにちなんだ音楽イベントもありました。

最後にもう一つだけお伝えして終わろうと思います。

 

今回は日本人の参加者は少なかったようで、私は数人しかお見かけしませんでした。

 

2007年に同じ会場で開催された時は、30人くらいは日本人にお会いしたと思いますから、その数、約10分の1です。(もちろん、私がお会いしなかっただけで、日本人参加者他にもいらっしゃったと思うのですが。)

 

実は、現在日本在住のAMTA会員数は意外に多く、他諸外国を大きく上回る数字(70人以上)となっています。反面、AMTA学術大会への日本人参加者は年々少なくなっているのが現状です。

 


さて、来年、2015年のAMTA学術大会開催地はカンザス市と閉会式にてアナウンスがありました。

 

いわゆる、学会友達(学会でしか会わないけれど、毎年会うのを楽しみにしている人達)、そして新しく知り合った方々と、「来年カンザスで会いましょう〜」と名残惜しくお別れしました。

 

AMTAの会員でなくても国外からでも気軽に参加できる学術大会ですから、このブログをお読みの皆様も是非来年のご参加をお考えになってみて下さい。

  

来年、カンザスで沢山の日本人の方々にお会いできることを期待しながら、今年の学術大会リポートを終了させていただきます。

 

 

 

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