ユニークな音楽療法スキルアップ法

 細江弥生

 

私達音楽療法士は、常に「効果的な音楽の使い方」を考えながら仕事を行っていると思います。

 

臨機応変に状況や患者さんの変化に合わせ音楽を変化させるには、経験はもちろん音楽の知識、技術、そして自分自身の柔軟性が必要です。そしてもちろん「失敗」も。(笑)

 

以前、音楽療法仲間から、彼がスーパーバイザーから課されたという、面白いトレーニング法を聞きました。

 

それは、一つの曲でワンセッション(約30分)を作り上げるというものだったそうです。

 

病院という環境で患者に会うのはほぼ初めて。

 

その行き当りばったりの状況で、患者のアセスメントを行い、短期目標を立て、患者が指定もしくは選んだ曲でセッションを作り上げるというものだったそうです。

 

難しそう!と思ったのですが、彼曰く、「音楽の要素を可能性のある限りその一曲から考えだし、患者の目標をサポートする為に音楽を組み立て直す難しさ、重要さ、そしてその可能性の広さにたくさんの事を学べた課題だった」そうです。

 

確かに、歌1曲を考えてみても、それを歌うだけでなく、運動に使ったり、注意力や記憶力を訓練する課題を足してみたり、ゆっくりアレンジしてリラクゼーションや呼吸運動に使ったり、歌詞の分析や替え歌をして自己表現に使ったり。。。様々な事ができます。

 

そして、飽きないようにする工夫も必要です。さらにアクティビティーをあらかじめ考えるのではなく、その場で患者のニーズや興味にあわせて創るということで「創造性」も鍛えられます。

 

1曲でワンセッションができるようになると、きっとネタ切れになる事もなさそうですよね。

 

このトレーニングの目標は以下の2点になります。

 

1、音楽のそれぞれの要素が持つ可能性をもっと広げてみる

2、患者やクライエントに何が必要か読み取る力とそれに即座に答える臨機応変な力をつける

 

実際のセッションでいきなり行うのは不安。。という方は、ワークショップやスーパービジョン、また自分だけでこっそり試してみるのも良いかもしれませんね。

 

 


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