No.174 オレンジリングをご存知ですか?音楽療法と認知症

細江弥生

 

9月は、世界アルツハイマー月間だそうで、921日は世界アルツハイマーデーに制定されています。


日本でも認知症についての番組やイベントが増えたり、「認知症・アルツハイマー」は今とても注目されているキーワードではないでしょうか。

 

音楽療法の現場でも、高齢者施設や認知症の方を対象に働いている方は多くいらっしゃいます。しかし、高齢者を対象に働いていても、意外に認知症について知らない事も多いものです。今後高齢化がもっと進み、それとともに認知症患者も多くなると言われています。音楽療法が進行防止に繋がったり鬱や問題行動など周辺症状を改善する事が最近わかってきたので、これからますます音楽療法のニーズが高まってくるのではないかなと予想しています。


近年、日本政府は「認知症になっても安心して暮らせる町づくり」を推奨しており、地域全体で認知症の方をサポートしようという運動を行っています。その一環として「認知症サポーター」を養成しています。認知症サポーターとは、「認知症サポーターキャラバン事業」における認知症サポーター養成講座を受講・修了した人の事を言います。

 

市民誰でもこの養成講座を受ける事が出来(自治体、NPO、市民団体などが随時開催中)、認知症についての基礎知識を学びます。サポーターになったからといって特に何かをしなければいけない訳ではないのですが、自分の周りで認知症の方がいたらどうサポートできるか、そのスタートの方法を学ぶのです。国民全員を認知症サポートのスタート地点に導いてくれている感じかなと私は思っています。

 

先日ニュースではゆうちょ銀行が今後日本中の社員全員をこの養成講座を受けた認知症サポーターに育成していくと発表していました。どこの町にもある郵便局の職員の方が認知症に理解を持ってくださるのは本当に良い試みだなと思います。

 

私も先月地域の養成講座に出かけ、認知症サポーターになりました。講座には小学生のお子さんもいらっしゃいました。それくらい分かりやすく、大切な重要ポイントを押さえて認知症についての基礎知識やサポートの方法を教えてくれます。そして、一番大切な事として「私も地域の一員として認知症になっても安心して暮らせる町づくりをしていこう」という気持ちが自然に湧いてきたのでした。認知症サポーターになると「オレンジリング」というオレンジ色のゴム製のブレスレットをもらえるのですが、これは支援のシンボルであり、このオレンジリングを象徴として街全体にサポートの体制が広がっていく事を目的としているそうです。

 

音楽療法士という専門家として認知症の方と関わっていく事は今までにもありましたが、地域住民としてどうサポートしていくか。その視点を学ぶ事も非常にためになりました。

 

ゆうちょ銀行の社員全員が認知症サポーターになるように、日本中の音楽療法士もこの認知症サポーターになり、オレンジリングをつけながら認知症に対する理解も地域で広めていく。。。そんな素敵な事が出来たらな、と秋の夜長に妄想にふけてみました。皆様も地域で開催されている認知症サポーター養成講座があれば是非参加してみてください。

 

 

 

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