No.192  第16回日本音楽療法学会学術大会レポート2

小沼愛子

 

皆さまこんにちは。すっかり間が空きましたが、前回からの続き、16回日本音楽療法学会学術大会レポートその2、です

 

一般情報を書き綴った前回とはガラリと変えて、個人的な経験や感想などを書かせていただきます。

 

まずは、印象的に残ったことから、です。

この大会のテーマが「『今、ここで』音楽療法における関係性を考えよう」であったことは前回もお伝えしましたが、開会式などでは特にこのテーマについて触れられることはなく、大会場での講演等でもこれを意識した感じのことは最初の2日間特に何もなかったように感じていました。(私が見逃していただけかもしれませんが。)

 

アメリカの学術大会においても同じなのですが、「大会テーマって何のためにつけているんだろう?と思うことが度々あります。正直、今回も同様な印象だったのですが、最終日の大会長講演でそれがすっかり覆されました。

 

これほどまでに大会テーマに沿った講演を今までに聞いたことがあったか?と思ったほど、テーマを意識し反映させた講演で、入念なご準備にはすっかり感心させられました。

 

大会長がテーマを大切にしていらっしゃることがストレートに伝わってきて何だか安心し、嬉しくなりました。学術大会の全てをテーマに沿って運営するのはとても難しいと思いますが、やはり少しでもその意図が見える部分があると良いものだと思いました。

 

さて、続いて自分の発表体験について書いてみます。

 

「スーパービジョン付き45分の発表枠」にて、自己の臨床とその考察を紹介させていただきましたが、この 「SV(スーパービジョン)付き発表枠」は、アメリカの学術学会では見かけないスタイルで、「スーパービジョンしてもらえるとは、なんて有難い!」と思って演題登録した、というのが経緯です。

 

45分の発表時間の割り振りは以下でした。

 

  1)         自分が話す:20

  2)         担当の先生によるスーパービジョン:20

  3)         質疑応答:5

 

「無料でスーパービジョンしてもらえるなんてラッキー」と思っていた反面、全く見知らぬ先生のスーパービジョンを人前で受けるという初経験を目の前に、普段と違った緊張もありました。蓋を開けてみると、スーパーバイザーの先生はとてもフレンドリーで発表内容を事細かにご理解しようとして下さる方で、あまりにお優しいスーパービジョンに恐縮するくらいでした。

 

質疑応答では、なるほど、と思うご質問を頂いたり、専門的かつ洞察深いご質問もいただき手応えあるものでしたが、とにかく時間が短くて少し残念でした。一方、発表後も複数の方々から個人的にご質問やコメントをいただき、本当に有意義でした。

 

 

さて、個人発表の後には、自主シンポジウム「危機対策と音楽療法について考える」のシンポジストとして、別の発表に参加しました。

 

こちらは、シンポジスト(話題提供者)4名、指定討論者1名ということで、他の4人の先生方とご一緒させていただくスタイルでした。

 

私はこのグループのシンポジストとして一番最後にお話させていただきましたが、自分の番が回ってくるまでの間、すっかり立場を忘れて他の先生方の話に聞き入ってしまいました。特に自分のすぐ前の先生がお話しになった難しい事例における壮大なプロセスの話は大変パワフルで、良い意味で本当に圧倒されるものでした。

 

「危機対策と音楽療法について」のタイトル通り、内容も重く濃い感じはあったのですが、「皆がそれぞれの立場で、その時その場でできることに真摯に取り組んでいる。その上で、より広い範囲で外部の人達とどう連携していくかを常に考えて行動することが大切」という共通認識を得られたと思います。難しいトピックを取り扱う中、その会場に居合わせた方々との間に生まれた新しい繋がりは大変貴重なものであったと感じました。

 

 

個人発表、シンポジウムともに、個人的に反省点は沢山ありますが、参加を通して多くの方々と交流が持てたことは私にとってこの学術大会参加の最大の収穫です。発表もコニュニケーションの一つである、と強く感じる体験でした。

 

 *被災地グッズ販売コーナーの一部
 *被災地グッズ販売コーナーの一部

さて、実は日本音楽療法学会の学術大会に参加するのは初めてだったため、申し込みの時から参加中まで、本当に分からないことで一杯でした。

 

そんな私に学会について色々教えてくれたり、一緒に時間を過ごしてくれた皆さん、そして勝手が分からず右往左往する私に親切にして下さって方々、本当にありがとうございました。初参加なのにこれほど充実した時間を過ごせたのは正に皆様のお陰です。

 

 *クッキーや蒸しパンを購入していただきました。
 *クッキーや蒸しパンを購入していただきました。

思い出せば、学会会場でいくつかお気に入りのスポットがあったのも居心地よく過ごせた理由の一つだったと思います。

 

会場に設置されていた東日本大震災被災者の方々が作成されたグッズ・お菓子販売コーナーもそのうちの一つで、販売の方々も良い感じながら、お菓子も美味しくコーナー内でお茶も飲めたため、大会開催中毎日お世話になりました。

 

そして何より、学会中にこのプログの読者の方々とお会いすることもできて、本当に感動でした!お声をかけて下さった皆さま、本当にありがとうございます〜。

 

 

なんだか書き足りない感もありますが、長くなってきたので今回はここまでです。

 

またいつか時間のあるときに、私の受けた講習会の内容もご紹介させていただければと思っています。

 

ボストンは寒くなってきてきました。私はすでに大風邪をひいております。。。

皆さまもくれぐれもお体にお気をつけてお過ごし下さい。

 

 

 

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