No.193  大統領選と音楽

小沼愛子

 

アメリカでは連日ニュースで取り上げられてきた今年の大統領選後、はじめての週末を迎えました。

 

私は数日前からアメリカ音楽療法学会の学術大会に参加中で、今回の選挙結果が多くの音楽療法士にも精神的影響を与えていることを目の当たりにしています。が、このブログでは選挙に関する違った側面をご紹介したいと思います。

 

皆様は、アメリカの選挙戦には音楽が付き物であるということをご存知でしょうか?

                             

今回の大統領選挙では、著名なミュージシャンが、「自分の曲をあなたのキャンペーンに使って欲しくない」と選挙候補者に抗議するような場面もありました。支持しない人物に自分の音楽を使われるのは不快である、というのは十分に理解出来るところではないでしょうか。過去にも、有名ミュージシャンの曲を許可なくキャンペーンに使ってひんしゅくを買った大統領候補もあったようです。

 

候補者達は自分の意図に合った曲選びをし、いわゆる「テーマソング」のように使われていることが通常です。しかし、ミュージシャン側にも楽曲への思い入れがあり、この2者が相思相愛でない場合があることは容易に想像できることかと思います。

 

アメリカでは大統領選は4年に一度の大イベントですが、今回は特に多くの日人々に精神的な影響を与えた選挙戦だったと感じています。私自身も毎日の報道に疲れ果て、選挙当日はとにかく落ち着かなくてソワソワしていました。

 

さて、そんな選挙戦当日、仕事に向かう運転中のことでした。車の中で流れているラジオの内容も選挙のことばかり。そこに、「選挙と音楽」というテーマで5分程度のコーナーが設けられ、なかなか面白いものでした。

 

選挙に関連した音楽はなんと1920 年代からあったそうで、その当時の流行りのスタイル、スウィングジャズの曲調で選挙について歌った曲が何秒か流れました。その後、有名なブルースシンガー歌った選挙の歌、シンガソングライターが書いた「選挙に行かない人は不平を言えない」という内容の曲などが紹介されました。最後に紹介された曲は「The Same Old Lie」という、つい最近リリースされたばかり曲で、明らかに今回の選挙戦を皮肉った内容であることがタイトルから伺えます。

 

ジャズ、ブルース、シンガーソングライター、ロック、と違った曲調ですが、一様にちょっとひねりや皮肉が効いていたりコミカルに選挙について歌ったりしていて、思わず笑ってしまうものもありました。

 

選挙の行方に気を取られて精神的な疲れを感じていた自分にとっては清涼剤でもあり、選挙のことを歌っている曲なのに一瞬そのことを忘れて入り込めることに、音楽という媒体の偉大さを感じる瞬間でした。もちろん次の瞬間には、「これ、セッションネタになりそう。今日早速使えるかな?」と考えながら職場に向かっていましたが。。。

 

 

さて、冒頭でお伝えした通り、現在AMTAの学術大会に参加中です。次回はその様子などお伝えしたいと思います。

 

 

  

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