音楽療法士のためのウクレレ

細江弥生

 

ギターを音楽療法のセッションや伴奏に使ってみたいけれど、少し大変そう・・という方も、4本弦でボディも小さいウクレレなら挑戦しやすいとお感じなることがあるそうで、度々お問い合わせをいただきます。 

私は音楽療法のセッションでも時々ウクレレを使用していますが、やはりギターやピアノと比べるとできる事が限られてくるので、伴奏楽器として万能というわけではありません。しかし、その特性を上手く利用すれば、セッション内で効果的に使うことができます。

 

本会主催の「音楽療法士のためのウクレレ講座」は、音楽療法士に必要なウクレレスキルを学ぶことに焦点を置いて企画されました。昨年から継続してきたオンライン講座に加え、今年3月と4月には大阪で初心者向けの講習会を開催する運びとなりましたので、セッションでウクレレを使うことにご興味のある方に是非受講していただけたらと思います。

 

さて、「参加したいけれどどんなウクレレを買ったら良いかわからない」というお声をいただいていますので、音楽療法関連で使用することに焦点を置いて簡単にご質問にお答えしたいと思います。もちろん究極はご自分の好きなウクレレを買うのが一番なので、軽く参考にする程度にしていただけたらと思います。

 

 

♪ウクレレの値段

値段はピンからキリまであります。私はレッスン&セッション用のウクレレについては、1万円以下の楽器を使用しています。(5000円以下でも良いものがあります)

 

*参照リンク*細江が使用しているソプラノウクレレ

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/170696/

 

最近は、安価なウクレレでも割と品質が良いものがあり、安いから全くダメというわけではありません。ご自身の演奏用にはもちろんこだわりの一品を購入していただきたいのですが、セッションやレッスンで使用するためには、ある程度の音の質が確保以外に、外に持ち歩いたり、クライエントさんや生徒さん達に自由に触ってもらう事を前提に予算設定される事をお勧めします。

 

ウクレレのサイズ

ウクレレには一番小さなソプラノウクレレから比較的大きなバリトンウクレレまで、種類がいくつかあります。ソプラノウクレレも人気のあるサイズではありますが、フレット(指で押さえる部分)の間隔が狭いため指が不自由なクライエントさんや大人は指を置きづらいことがあります。そのため、少し大きめのコンサートウクレレやテナーウクレレの使用をお勧めしています。楽器のサイズが大きくなればなるほど音も大きくなり安定するため、伴奏楽器として使う場合、私はソプラノより音が大きいコンサートウクレレを使用しています。

 

購入ポイント

ネットなどで購入する場合はレビューをしっかり読みましょう。最近は写真だけでなく動画で音をチェックできるサイトもあります。

「フレット」という縦に線のように入っている金属の棒の処理がしっかり丁寧にされているかチェックしましょう。金属の棒が飛び出していないかもチェックします。いくらチューニングしても音が綺麗な音階にならない場合はこのフレットの位置自体がずれている可能性があるので要注意です。

 

大人数のセッションでも使いたいとお考えの場合は、「ピックアップ」が内臓されているウクレレにを購入すると簡単にアンプに繋げられます。ウクレレにマイクを近づければ多少音は大きくなりますが、コンサートなどで弾きたいという方にはピックアップ付きのウクレレのご購入をお勧めします。

 

*参照リンク:ピックアップ付きウクレレの動画レビューが見れます(英語)

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/249358/

 

付属品

①ケース

ケースはぺらぺらの薄いものではなく、クッション性のあるもの(持ち歩くときに多少ぶつけても衝撃を吸収してくれる素材のもの)がお勧めです。

 

②チューナー

弦の音を合わせる際、チューナーがあるととても便利です。周りが騒々しくてもチューニングすることができるクリップ式のものをお勧めします。

 

③弦

弦は切れることがあります。あらかじめ替えの弦を買っておきましょう。慣れないうちは柔らかめの弦が指に優しくお勧めです。

 

④ストラップ

ウクレレのストラップには以下の2種類があります。

1) アコースティックギターと同じ形式のもの

2) 首にネックレスのようにかけてクリップのようなものをウクレレに引っ掛けるタイプ

ギターと同じ形のストラップがあると、セッションで歩き回る時に安定して便利です。

 

他にも楽器の材質、形態など、こだわりポイントは沢山ありますが、まずはセッションやレッスン用に気軽に使える一本を購入してみてはいかがでしょうか?

 

今回は私がよく利用する楽器店サウンドハウスのリンクを掲載してみましたが、「ウクレレ、選び方」などのキーワードでインターネット検索すると簡単にウクレレ選びのコツ情報が得られますし、島村楽器など大手楽器店のウェブサイトにも有益な情報が掲載されています。

 

まずはご自分の気に入った楽器を手に入れて、2019年、楽しく実用的なウクレレに是非挑戦してみてください。

 

 

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