小沼愛子
こんにちは。ブログの更新が遅れているうちに気がつけばもう七月、日本は七夕ですね。こちらボストンもすっかり夏陽気になってきました。
今回のブログでは、私がここ数年特に注目している音楽療法トピックのひとつ、「Music Therapy in Neurorehabilitation =ニューロリハビリテーションにおける音楽療法」について書きはじめることになりました。
このトピックに触れるにあたり、本会スタッフの間で幾度となく意見交換を重ねてきました。発展の著しい分野であるという認識を持つ一方、まだまだ知られていない分野であるという理解のもと、この分野についての情報を少しずつ紹介していきたいと考えています。興味のある方々と対話が出来れば、という気持ちを持って書き進めていきたいと思っています。
まず、この「ニューロリハビリテーション」という言葉をお聞きになった/お見かけになったことがあるでしょうか?「リハビリテーション」は長年日本語として使われていますし、「ニューロ」という単語もご存知または聞き覚えのある、という方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
音楽療法界で「Neuro」と言えば、「Neurologic Music Therapy (NMT)」という技法が「神経学的音楽療法」と訳され近年ポピュラーになり、これに関連した翻訳本が出版されているのみならず国内で講演会などが度々行われていますので、それをご存知の方は多いのではないかと思います。
一方、この「Neurorehabilitation」という単語についてはいくつかの異なった日本語訳を見かけましたが、最近はそのままカタカナで「ニューロリハビリテーション」というのが定着してきている感を受けます。その名の通り、神経科学を理論的基盤とするリハビリテーションのことで、近年この分野関連の音楽療法の研究や臨床も数を増しています。
近年の神経科学や脳研究の進歩には目を見張るものがあります。私は、リハビリ医学界においてニューロリハビリテーションは注目される新しい分野であると認識しているため、音楽療法業界でのこの流れはそれに伴った至極自然な現象であると言えるのではないかと思っています。そして、音楽療法がこの分野に貢献出来る潜在能力は非常に高い、とも考えています。実際、現在この分野には、NMT音楽療法士のみならず複数のエキスパート音楽療法士が存在し、それに続く臨床士も増えているという印象があります。
今回は「ニュロリハビリテーションにおける音楽療法」という用語を紹介させていただく感じになりましたが、次回から関連の発表やエキスパート達の活動などについて書きていきたいと考えています。
*このブログ記事、または「ニューロリハビリテーションにおける音楽療法」ついてのご意見ご感想など、問い合わせフォームよりお寄せ下さい。
コメントをお書きください