小沼愛子
皆様こんにちは。ボストンは暑い週末となりました。皆様のお住まいの地域も夏本番が近づいているのではないでしょうか。またしても体調管理の難しい時期到来です。
さて、本会ブログでは、「音楽療法士と燃え尽き症候群」というトピックを過去数回スタッフ細江が取り上げてきましたが、(No. 27とNo.165に掲載)今回はもう少し基本的な視点からこの症候群について勉強してみたいと思います。
「燃え尽き症候群」は、英語で「Burnout Syndrome(バーンアウト・シンドローム)」と言います。日本語でも「バーンアウト」という言葉は普通に使われてきましたから、聞いた事のある方は多いと思います。
思えば、自分の周辺の音楽療法士達から「疲れてきた」「もう限界」「バーンアウトしそう」「頑張りすぎた」などの言葉を聞くことが結構な頻度であります。そして、その度に私達に必要なセルフケアについて考えさせられます。
ついつい頑張りすぎてしまうことの多い音楽療法や関連職種。「自分も当てはまる」もしくは「そういう傾向があるかも」など、心当たりがある方もいらっしゃると思います。
自身や同僚、仲間をサポートしながらお互い良い形で仕事を続けるために、「バーンアウト」がどういうことなのか勉強しておくことに意味があると思って今回取り上げています。
「燃え尽き症候群」もしくは「Burnout Syndrome」をネットで検索すると沢山の情報が出てきます。元々、ソーシャルワーカー、看護師、教師、医師などの「対人援助サービス業(もしくは「ヒューマンサービス従事者」)の人達に多く見られる症状として1970年代のアメリカで登場した言葉である」という生い立ちについては、私の読んだほぼすべての文献で一致していました。
この「対人援助サービス業」ですが、英語では「People working in “helping professions”」と書いている文献がありました。これはなかなか分かり易い表現ではないでしょうか。
もちろん、音楽療法士は「対人援助サービス業」にばっちり当てはまりますから、私達に起こり易い症状であると自覚することは大切でしょう。毎日真摯に仕事に取り組んでいらっしゃる方々なら「自分は大丈夫」「自分には関係ない」などと言い切ることは出来ないと思います。
ブログ27で、スタッフ細江が「セラピストの燃え尽き症候群」の症状について書いていますので是非ご覧になっていただきたいと思いますが、今回は一般的な症状とされている事柄をまとめて箇条書きにしてみました。
-朝起きられなくなる。
-職場や仕事に対してネガティブな感情が増える。
-職場の人達への態度が皮肉っぽくなる。
-職場・仕事に行きたくなくなる。
-物事に無関心になる。
-無気力になり虚無感に襲われる。
-アルコールの量が増える。
-胃や消化器系に問題が起こる。
-ストレスホルモンが増加する。
-突発的に辞職する。
-過度の消費にはけ口を見いだす。
-イライラする。
さらに。
悪化すると、家庭崩壊、社会生活からの逃避、犯罪行為に走る、過労死、自ら命を断つケースもあるなどと示唆しているサイトもあります。
このシンドロームにはいくつかタイプがあると書いている記事もあれば、症状など定義が明確ではない、と書いてある文献もあります。色々分かりづらい部分もあるのですが、ここまで読んで「鬱とどう違うの?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
次回ブログでは鬱との関係、この症候群の原因なども含めてもう少し広くご紹介したいと思います。
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