小沼愛子
2016年のグラミー賞が発表されてから1o日ほど経ちましたが、受賞式をご覧になりましたか?
私は生放送を見ていませんが、授賞式の一部はすでにチェックし、次の休日にすべてのパフォーマンスを観る予定にしています。
グラミー賞。これこそ、最近このブログで書いている「音楽とメディアの力の関係」を強〜く感じる事柄のひとつです。
日本ではあまり知られていなかったアーティストがグラミーにノミネートされて大人気になる、というパターンも少なくないようです。「メディアに踊らされる」という表現がありますが、ここまで一般に影響があると、好き嫌いは別にして自分の職業上無視することができないくらいのインパクトがあります。
さて、昨日インターネットで今年のグラミー賞のことを調べていると、授賞式前の司会者?と思われる人のスピーチの一節に耳が止まりました。 皆さんにもご紹介したいと思い、その一部を大まかですが書き取りました。(聞き取りなので細かい間違いがあるかもしれませんが、そこはご容赦願います。)
…. As we all know, music has great powers. Among them, it’s the power to heal and inspire, even to unite cultures and generations. It is universal language that has not bound when it comes to bring in people together. Something we can’t have too much of in this world today…
これをざっと気楽に訳してみます。
・・・私達全員が知っているように、音楽は強い力を持っています。それは癒やしであり、人にインスピレーションを与えるものであり、異なる文化や年代をもひとつにする力です。音楽が人々を結びつける時、それは境界を持たない世界の共通言語です。今日私達が世界の中にあまり持ち合わせていない何かなのです。・・・
という感じで、音楽、そして音楽の力を褒め称えています。
このように、音楽をほぼ「絶対的善」として文章やスピーチの中で表現したものは世の中に沢山あります。実は、私はこういった「音楽を讃えるフレーズ」を集めた本を持っているほど、音楽の力について書かれたものに愛着を感じる傾向があります。
そういったものを見聞きして、「いいね、その通り!」と嬉しくなる自分がいる反面、
「でも、音楽って(とくに音楽療法においては)こんな綺麗事だけじゃないし・・・」という冷めた気持ちで捉える場面も度々あります。
上のスピーチを聞いて単純に顔がほころびうんうん頷く自分と、音楽は万能ではない、音楽療法士として冷静に音楽を捉えて慎重に扱う必要がある、と考える自分がしっかりと同居しています。
音楽の力を上手く表現した文章・スピーチ等は大歓迎ですが、
音楽は皆にとって良いもの → 良いものを使うことは良いに決まっている
→だから音楽療法は絶対に良いもの
という図式は私の頭の中には存在していません。
しかし、今回のスピーチのように、音楽の力や存在意義を上手く表現しているものに出会うと嬉しくなるのは、自分が音楽へのストレートな信頼と愛情を持っているからなのだろうな、と分析します。
音楽について様々な視点で考え続ける毎日ですが、音楽の力を信じていることが、自分の音楽療法士としての原動力になっていることに間違いはなさそうです。
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