今週の英語22: 「対象者=クライエント」とは限らない

細江弥生

 

私がアメリカから日本に帰国して間もない頃、音楽療法の対象者を指す言葉は、「クライエント」しか知りませんでした。そんなとき「対象者」という日本語を知って救われた事を覚えています。

 

今では、音楽療法を行うsetting” settingについては「今週の英語16」をお読みください。)や、研究報告を書くとき等、状況に応じて言葉を選択していますが、帰国間もない頃はこういった基本的日本語もままならなかった事を覚えています。

 

さて、音楽療法の対象者を英語で表現する場合ですが、基本的には日本語と同じ考え方で英訳すれば良いかなと思います。一番多く使われるのはやはりクライエント=client です。

 

働くsettingが病院などの場合、患者patientと呼ぶ音楽療法士もいます。

 

また、グループ等の音楽療法の場合、日本語では「利用者」「参加者」が使われると思いますが、英語でもparticipants参加者)、group members グループのメンバー)などが利用されます。

 

施設等でそこに住んでいる方達が対象の場合は、residents居住者)も使われることがあります。

 

そして、研究や抄録で対象者を表す場合は subject被験者)又は participant(参加者)を使用します。

 

ちなみに「対象者」にあたる英語は、無理矢理英訳すれば people who are eligible for music therapy (音楽療法に適格又は音楽療法参加の候補となる人々)や、to target young adults (若者を対象とする)という形などで書く事もできますが、日本語のようにざっくり「対象者」と表現する用法にはなりません。

 

今回ご紹介したように、settingに応じた呼び方で使い分ける事がほとんどです。ですので、「対象者」という日本語に出会った時、本当に便利だなあと感じたのを覚えています。

 

今後、英語論文を読んだり発表を聞いたりする機会があれば、「対象者」を何と表現しているかを気をつけてみて下さい。全体を読み解くヒントにもなると思います。

 

 

 

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