細江 弥生
昨年は世界的にも多くの学術大会がオンラインで行われました。アメリカ音楽療法学会(AMTA)学術大会もオンラインで開催され、今年もオンライン開催になるそうです。
早期割引申し込みも始まっており、情報は以下のリンク先で見ることができます。
https://www.musictherapy.org/events/amta_2021_conference/
私は昨年のオンライン大会に参加したのですが、大変充実した内容だったのでその一部をご紹介します。11月の半ばにライブ開催し、その後オンデマンドで6ヶ月間視聴することができました。
ライブ開催期間中には、展示ホールでのイベントもオンラインで開催されていました。バーチャルの展示ホールがスクリーン上に現れ、マウスを動かすことでその会場内を歩く事ができるので、まるで現地に行っているような気分になりました。
時差と仕事のスケジュールの関係で、私は開会式と一部の講演のみライブで参加する事ができました。アメリカの音楽療法士にとって昨年は本当に大変な時期だったと思いますが、開会式で発表された音楽療法士達が作詞作曲した新型コロナウィルスがテーマの歌とミュージックビデオや、遠隔音楽療法に関する臨床研究の話などが聞け、前向きなエネルギーと未来への希望を感じる事ができました。
大会の中核である口頭発表、シンポジウム、リサーチポスターセッション、講演なども充実しており、最新の研究や臨床の紹介をじっくりと学ぶ事ができました。それぞれのプレゼンページに行くと、資料や文字起こしされた原稿などをダウンロードする事ができました。視聴期間終了直前に全ての動画を見る事ができないと思ったので、私はまずこの原稿と資料を全てダウンロードしました。後で読みながら少しでも学べるので大変助かりました。また、英語の聞き取りが苦手な方にとっては、その原稿を見ながら一緒に動画を見る事ができるので大変便利だと思います。
チャットでのやりとりもオンデマンド配信時のコンテンツとして残されているので、参加者の質問や感想を見る事ができました。また、ライブで参加した人は発表者にリアルタイムで質問する事ができました。その質問に対する回答の動画もしばらくしてからアップされ、後から観ることができる仕組みでした。
対面式で開催されるリサーチポスター会場は活気があり好きな場所なのですが、人が多すぎてお目当てのポスターをじっくり見れなかったり、周りの音がうるさすぎて研究者の話が聞こえなかったりする事があります。しかし、オンラインではゆっくりポスターを見ながら発表者の話を聞く事ができたので、普段よりも深く学ぶ事ができました。なんといっても長い視聴期間がありがたく、これだけの内容を6ヶ月間も自分の学びに活用できる学びのツールはなかなか無いと思います。
また、話を聞くだけでなくライブ期間中に他の参加者とチャットしたり、ミーティングをする機能もありました。残念ながらミーティングの機能は活用しなかったのですが、次回参加する時は、日本人音楽療法士で集まる会など開催してみたいなと思いました。
今年の参加費は非会員の早割価格で$399と決して安くはないですが、今年も6ヶ月の視聴期間があるようです。英語で音楽療法について学んでみたいけれど、じっくりゆっくり学べる場が欲しい、という方にはとてもおすすめです。